優れた営業マンは雑談がすごい。売上UPの営業トークのコツ

営業でお客様と会話とする際、何を話せばいいのかわからない。そんな悩みを抱えている方はいるだろうか。

若手営業マンに話を聞くと、普段から同僚や先輩を見てこのように思っていると言う。

営業の雑談はセンスだけど、自分には、コミュニケーションのセンスがない。

これは努力しようがない部分で、デキる同僚や先輩になるのは、難しいのではないか。

このように普段から雑談について悩みを持っている営業パーソンは多い。

そんな悩んでいる営業パーソンに安心していただきたいのは、売上をあげている営業マンと、そうでない営業マンに、センスの差はないということである。

何が違うかと言えば、顧客への質問の角度が少しだけ違っており、優れた営業パーソンはその角度を鍛えているのだ。

今回は、営業における雑談をテーマにあげて、雑談の必要性、明日から使える雑談方法や、優れた営業マンがどのような雑談を展開しているのかということを説明する。

営業における雑談力とはなにか

雑談の意味を調べると下記の内容が出てくる。

さまざまな内容のことを気楽に話すこと。また、その話。とりとめのない話。(goo 辞書

ビジネスとプライベートを分けたとき、プライベートの雑談はコーヒーやお酒を片手に、友人とダベるイメージが一般的だ。

この延長で考えると「雑談力のある営業マンは、口がうまくて、いつも話題の中心にいるような、周りを楽しませる人」というイメージが出てくるかもしれない。

しかし、「トップセールスだけど、普段は友人も少なくて無口」という人は数多くいる。

このような人たちは、上記のような「雑談上手」には当てはまらないのはお分かりだろう。

つまりビジネスにおける雑談は、プライベートの雑談とは違う、別の意味が含まれている。

優れた営業マンは「ビジネス雑談」が上手なのだ。

さて、営業における雑談とは2つの意味を持っているので、その紹介をする。

アイスブレイクのための雑談

1つ目の意味は「アイスブレイク」である。

アイスブレイクとは、初対面の人が会った時に緊張を和ませる手法のこと。

アイス(氷)をブレイク(壊す)という考え方であるため、ガチガチに固まった状態をほぐす目的だ。

「アイスブレイクが苦手」という営業パーソンは多いが、そんなに気にしなくて良い。

例えば、共通の趣味で話が盛り上がったからと言って、顧客のニーズを聞けないならば、契約につながることはないからだ。

事前にいくつかのアイスブレイクのネタを仕込んでおくことで、多くは解消される。

後ほど、優れた営業マンが普段から行っている雑談テーマを語っているので、それをご覧いただければ嬉しい。

顧客の関心を引っ張る雑談

2つ目の意味は「顧客の関心を引っ張る」目的である。

この雑談は、非常に契約との関連性が高く、「ヒアリング力」が鍵を握る。

会話の中で情報を集めて、顧客から「この人には話してもいいかも」と思わせるコミュニケーション力が、雑談力だ。

ヒアリングについては別の記事に詳しく書かれているので、耳が痛いかもしれないが、こうした記事を参考にしていただきたい。

なぜ営業で雑談が必要なのか

営業におけるの最終目的は、顧客とサービスとお金という価値を交換できるだけの、信頼関係を築くことだ。

そのためには、顧客がどのようなニーズを持っているのかを知らないと始まらない。

雑談を通して、ニーズを把握した状態であれば、その後の提案も当然スムーズに行く。

だから、営業での雑談(特に顧客の関心を引っ張る雑談)は必須といっても良い。

雑談上手な営業トークの例

例えば、あなたがお腹が空いて「何か食べたい」と思い、贅沢をして出張料理人を呼んだとする。

その料理人が、あなたの家についた途端、何も聞かず、黙々と料理人自身のおすすめ料理を作って出してきた。

あなたは「脂っこいものが食べたい」「中華がいい」「麺類はいらない」という食べ物に関してのニーズがあったはずだ。

更には「営業マンだから、見た目の清潔感を大事にしたい」「健康管理が気軽にできる食事メニューがあれば嬉しい」というライフスタイルに関するニーズも持っているかもしれない。

ここであなたに1つ聞いてみたいことがある。

料理の味は同じだとして、黙々と料理をする料理人と、料理に入る前に、ライフスタイルのニーズまで聞いて、それを叶えるメニューやレシピを考案し料理してくれる料理人なら、どちらにまた頼みたいだろうか。

明らかに後者だろう。

このように雑談でこれだけ提案の幅が広がるし、顧客の満足度も変わるのだ。

優れた営業マンの雑談テーマ3選

ここからは、実際の商談時に優れた営業マンが使っている雑談トピックを紹介する。

といっても、取り扱う雑談のテーマにおいて大きく違う点はないので安心してほしい。

1つだけ一般の営業マンと違うところは「顧客の思考の動き」を捉えようとする点だ。

順を追って説明していこう。

気候環境の変化(天気・季節・健康)

まずは比較的話題に入りやすい気候環境の変化だ。

天気

天気の話は、非常に気軽に出せる話題の1つだ。

「今日は天気が良くて気持ちが良いですね」「雨が続きますね」などの話は、皆が共通して気になっている話題なので、話のキャッチボールがしやすい。

季節

季節の話も、天気と同様に気軽に出せる話題の1つだ。

「日本海側では大雪が降っているみたいですね。御社の事業所は大丈夫ですか?」「●●さんは花粉症はないんですか?」など相手を気遣う話題として使うことも可能である。

健康

健康や美容の話は、20代では縁がないかもしれないが、年齢を重ねていけばいくほど、気になる話題である。

スポーツや体作りの話を自ら振ってみるのも1つだし、年配になれば病気が気になっていく。

「季節の変わり目ですが、お身体お変わりありませんか?」などと聞くと「実はここが痛くてさー」など話が出てくるかもしれない。

そうしたときは時間が許されれば話を聞くと相手もスッキリするので良い。

職場環境の変化(時事・仕事)

続いて話を深めたい仕事の話題だ。優れた営業マンはここからのトークで引き出すのがうまい。

例えば人事に営業をしている方は、4月に「今は新人研修で、お忙しい時期ではないですか?」と聞くと、今の業務の現状を伝えてくれることが多い。

その次に「◯◯さんって、採用もご担当なんですね。ちなみに、教育の全体設計も◯◯さんがやられているんですか?」

と聞いていくことで、部署全体の様子を把握することができる。

また、国からの制度変更や、他社からのニュースを引き出しながら「御社は状況いかがですか?」と聞くのも1つだろう。

変化への考え(課題感)

更に、どのように考えているのかを聞くことは大変重要だ。

特に聞くべきは「課題感」である。

たとえ、あなたが解決できなかったとしても、誰かをご紹介したり、調べてみるだけでも印象が全然違う。

「そうした状況の中で、現状での御社の課題感は、何がおありですか?」とストレートに聞いてみるのもありだ。

口ごもられるようなことがあれば「あ、まだそこまでの関係なんだな」と境界線も見れるので、良いだろう。

売上UPにつながる良い雑談・悪い雑談

雑談の中でも、最も最悪なのは「目的を果たせていない雑談」だ。

雑談の目的は、アイスブレイクと顧客の関心を引くことである。

しかし、その目的が全く果たされていない雑談が存在する。

NGな雑談は「一方的」

一方的な雑談が発生する理由は、「自分が好きなこと・自分が気になることしか話題に出さないから」だ。

例えば、あなたが知らないニッチな趣味の話題を一方的に話されても、戸惑うだけだろう。

顧客がその話題に興味を持てばよいが、そうでないときは悲惨である。

だからこそ、天気の話題など共有しやすい内容から雑談は始めたほうが良いのだ。

OKな雑談は「双方向」

当然だが、双方向で会話が成り立たないとアイスブレイクにならない。

まずは共有を取りやすい話題から、互いのYESを取り、そこから何か深められそうな部分を探っていく。

だからこそ、「◯◯さんはどうですか?」という質問が重要なのだ。

アイスブレイクの雑談は3-5分でOK

雑談が好きな顧客もいるが、時間に対する価値観がシビアになっている。

そのため、アイスブレイクの雑談は3-5分を基準に考えると良い。

前述の雑談テーマを用いながら、安心して、雑談を楽しんでもらえれば嬉しい。

オンラインでの雑談は1-2分でOK

オンラインでは、そもそもプレゼン資料を共有するなどして、内容を説明する目的が色合いとして強い。

そのため、雑談時間は1-2分で問題ない。

顧客の関心を引っ張る雑談は最大10分

この雑談は、その日の打ち合わせ内容につながる話がほとんどと言って良い。

また、自社からみると案件に繋がる可能性がある雑談であり、顧客から見たら新たな課題解決のチャンスである。

そのため、双方にとって価値のある会話である。

ただ、打ち合わせ時間に影響がない範囲にするためも、最大10分を心がけると良い。

明日から使える雑談スキル

当然だが、顧客は、あなたの会社の商品を買うか・買わないか、ということを第一優先に考えていない。

だからこそ、顧客の関心を引っ張るための雑談スキルをお伝えしたい。

関心を引っ張ることで。顧客の選択肢の中にあなたの商品が生まれてくるのだから、是非参考にしていだければ嬉しい。

相手の目を見て相槌をうつ

ミラーリング効果により、相手が同調・共感していることを実感してもらう。

目を見すぎるのは良くないが、アイコンタクトをとる事で、こちらも聞いている印象が強くなる。

集中して聞いていることがわかれば尚良いだろう。

私は◯◯でしたが、◯◯さんはいかがでしたか

これは考えを聞く質問の方法である。

共通の1つの事象(ex.新人研修の時期)に対して、どう思っているのか・どんな考えを持っているのかを深堀りすると、自ずと課題感の話に繋がりやすい。

そのためにも、自分の意見や感じたことを常に持って、いつでも話せるようにしておくことが重要である。

時事ネタの収集

日経新聞を読むなどして、顧客にとって有益であろう情報を掴んでおく。

意外にもこうした時事ネタを収集する人材は少なく、社会の取り巻く状態から顧客の情報を考えてみるのは他よりも一歩前に出るはずだ。

未来のことは予測がつかないから、自分の想像力を働かせて、考えてみれば良い。

そして立てた予測を、顧客に伝えるなどをしてディスカッションとなれば、尚良いだろう。

雑談をすべきかどうかの見分け方

すべきかどうかわからないのであれば、別に聞けば済むだけの話だ。

例えば今回の記事を引き合いに出しながら「雑談は3-5分と言っていたんですが、◯◯さんは短いほうがお好きですか?」

などと話してみると、その人の特性がつかめてくるから、一度試してみてほしい。

この記事を読んだ方におすすめ

この記事は「営業が少々苦手」「雑談がうまくできない」といった若手営業マンを対象に書いた記事だ。

そのようなあなたは、ぜひヒアリング力を強化してほしい。

では、ヒアリングとは何で、どのように評価するのかということは、こちらのレポートに書いてある。

若手のあなたにとっては耳の痛い話かもしれないが、ぜひ登録してくれたら嬉しい。