話が聞けない営業マンの90%がやらかす“ある事”とは?

営業マンは「そもそもの質問」をしない。これが90%の営業マンがやらかしていることである。

ひとつ、簡単な例を出してみよう。

あなたがゴルフショップの店長で、店員の部下が接客をしているのを見ていたとする。

こんな接客を受けたら、あなたはどう感じるだろうか?

部下「いらっしゃいませ」

お客様「アイアン探しているんだけどさぁ」

部下「アイアンですね。それでしたら、このメーカーの(商品名)ですと、キャビティが深くて・・。こちらも良いですよ。当店のオススメは・・」

お客様「・・・」

続いて、あなたが八百屋さんの店長で、小学生くらいのお子さんが買い物に来たとする。店員の部下が接客をしている。

部下「いらっしゃい」

お子さん「お母さんから、人参と玉葱と、あとなにか買ってこいって言われたんだけど、もう1つが分からなくて」

部下「そうか、忘れちゃったんだね。お母さん、今夜の夕飯何って言ってた?」

お子さん「カレーだって」

部下「そしたら、じゃがいもかな?お母さん、そう言ってた?」

お子さん「いや、違う・・」

部下「そしたら、お肉?」

お子さん「お肉は、もう切ってたから違うと思う」

部下「もしかして・・カレーのルー?」

お子さん「それ!それ!」

部下「そしたら、隣にスーパーがあるからそこにあるよ。気をつけてね」

お子さん「ありがとう!」

この2つの接客の違いは何だろうか?

ゴルフショップの方は、そもそもアイアンが欲しい理由を聞いていない。

一方、八百屋さんの方は、なぜ八百屋さんに来たのか、理由を聞いている。これが「そもそもの質問」だ。

「なぜ買いに来たのか?何のために来たのか?」という質問はどんな場面でも重要である。しかし、そのようなことが、どんな所でも、今も営業の世界で起きている。

なぜ「そもそもの質問」をしないのか?

なぜこんな簡単な事を、90%以上の人ができないのか?それは、質問する必要がないと無意識で思っているからである。

実は、営業マンには、ある大前提が走っている。それは「お客様は自社の商品を購入しようとしている人」という前提だ。

だから、営業マンはお客様の顔が見えたら、即座にプレゼンをし、商品の素晴らしさを様々な角度から話をするのだ。

目的ありき・商品は手段

もしかしたらあなたの部下も「え、そうじゃないの?」と考えているかもしれない。当然だが、そうではなく、お客様は自分の要望(目的)を満たすために、お金を使っている。

八百屋さんの例を取っても、カレーの材料を買うために八百屋さんに来ていた。言ってしまえば、カレーの材料を揃えられるなら、八百屋さんでなくても良いのだ。

なのに八百屋で買って欲しいから「今日はきゅうりがオススメだから、きゅうりじゃないかな!お母さんによろしく言っておいてよ!」なんて言って、きゅうりを買わせたらどうだろうか?

お子さんがかわいそうだし、お母さんも「何で忘れたの!しかも八百屋さん何よ!もうあそこ行かない!」なんて、今頃家で怒っているかもしれない。

営業マンもインプット過多で話が聞けない

こんな話が市場に出回っているにもかかわらず、90%の営業マンは「そもそもの質問」が出ない。

それはなぜか?また別の観点から話をすると「インプット過多」だからだ。

営業マンも様々な情報をシャワーのように浴びているがゆえに、インプット過多。つまり、お客様の話が聞けない上に、実際のところは自分の商品を売るところにしか、興味がない。

さらに言うと、自分が聞けていない事に気付いていない。

例えば、先程のゴルフショップの例は、まさにお客様の話が聞けていない例である。内側の考えを表記した形で、やり取りを再現し直してみる。

部下「いらっしゃいませ(今月、俺のノルマやばいんだよなぁ〜)」

お客様「アイアン探しているんだけどさぁ」

部下「アイアンですね。それでしたら、このメーカーの(商品名)ですと、キャビティが深くて・・。こちらも良いですよ。当店のオススメは・・(これ売れたら利益率も高いから買って欲しいわ。絶対お客さんに合うって)」

お客様「・・・(こいつ、話も聞かずに売りたいだけだな)」

売りたい!売らねば!という考えが先行していて、お客様の要望・目的を把握せずにプレゼンが始まっている。

これでは、的はずれな提案になること間違いなしだということはお分かりだろう。

まとめ:聞けていないことを自覚することから始める

「とっさに質問が出てこない」ということは、自分の考えでいっぱいいっぱいだという事である。だから、まずは聞けていないことを自覚することから始めるとよい。

部下に対しても、「聞けてないから、まずは聞いてみよう」と一呼吸置くアドバイスをお勧めする。

そこから「そもそも●●が欲しいとの事ですが、何かお困りなことでもありましたか?」という風に、聞いてみたら?とアドバイスされるのはいかがだろうか。

それだけでもお客様とのコミュニケーションは格段に変わる。より詳しく話を聞きたい方は、ぜひご連絡を。まずはあなたの問題意識を伺わせて欲しい。