なぜあの部下は叱られても笑っていられるのか?
取引先からの依頼で、案件のヒアリング不足により、ズレた行動によってミスを犯した部下。人間誰しも間違いはあるけれど、先方としても原因追求と解決策の提示を求めるのは当然だ。
その話を先方にするにあたり、普段は叱らない私だが、さすがにミスが続いていたので、今回の件について部下を叱った。
あまり感情を出すことは、慣れていないので、逆にこちらが気を遣いそうになるのだが、そこは彼の問題なのだからと考えを改める。
「顧客の状況を考えれば、起こるミスではないんだから、ちゃんと考えてから進めないと」と、しっかりと叱った。
すると彼は「はい、すみません・・(フッ」という感じで、ヘラヘラ、というか何か馬鹿にしたような感じで笑っているのだ。
一瞬、自分が悪かったのか?と思いそうになるが、そんなことはない。しかし、こちらの言いたいことが伝わったのか、結局不安になってしまった。
何かこちら側の伝え方に問題があったのか?いずれにせよ、なぜ部下が叱られても笑っていられるのかが、よく分からない。
ホンネを分かった方が仕事がしやすい
そもそも「別に気にしなくて良い」というのがこの結論だ。
部下の状況などは気にせずに、成果を追究していれば、自然と部下も付いてきて、成長することもある。会社は利益を創出するために存在しているのだから、存在意義としては間違っていないし、そうすべきだ。
しかし、そうやって「気にしないで良い」とわかったとしても、リーダーであるあなたは仕事がしやすくなるのか?
再び彼から「すみません・・(フッ」と言われて、面倒な感情や溜まるストレスを感じ、それを処理したいとあなたが思われるならば、続きを読んでほしい。
この面倒に思うコミュニケーションコストを、どう解消すればよいのか?それは、彼らのホンネを知ることで、70%は解消される。
前提は事実を受け入れていない
そもそも、すみませんと言いながら笑っているということは、今回の事実を、事実通り受け止めておらず、自分のホンネを優先するから出る表現である。
本当に事実を事実として受け止めたのならば、自身のホンネは置いておいて、真摯に受け止めようとする姿勢を持つはずだ。
では、どのようなホンネが出ているのかというと、大きく3つに分かれる。
- めんどくさい
- だってしょうがないじゃん
- 自分の頑張りを認めてくれないんだ
それぞれの内容について詳細を知りたいのであれば、ぜひこれらのタイプに対しての対応方法をお伝えできるので、お手伝いができれば嬉しい。
いずれにせよ、主語が「私」になっているのがお分かりだろうか。叱られた瞬間に、まったく顧客の事が抜けているのだ。
叱られた瞬間に「だって私は〜」というホンネが頭の中で走っているから、フッと笑ったり真剣に考えているような素振りを感じない。部下の頭の中に100%「私」が入っていて、「顧客」が抜け落ちている。
言葉かけの前に相手の中に質問をもたせること
「私」が主語になっていれば、当然、顧客の事を考えて、ビジネスをする上での質は低下する。
だから、まずは成果主義にさせて、仕組みをつくろうと多くの企業がシフトをしている。
もちろん、一時的には成果が出る組織になる。しかし、全員点取り屋のようなサッカーチームが機能しないように、各々の役割に気づき主体的に行動していくことが必要だし、長期的にみれば、その土壌をつくっていく必要があると我々は思っている。
これは、言葉を選ばずに言えばダメな社員も含めて、我慢強く、全員を引き上げようということではなく、きちんと見極めをした上で成長を促す必要があるということだ。その見極めの中で、貴社の成長軌道に合わない社員は自然と辞めていく流れになるのだから。
ぜひ、部下の主語がどこにあるのか?どのような質問を頭の中に持っているか引き出して見極めてほしい。