人々が情報を「デザイン」をする時代へ
この記事は、アフターコロナの一手を考える経営者に向けて書いている。私なりに、次の時代のニーズを考えてみたい。
目次
テレワークによって生まれた「自分時間」
働き方の面で最も変わったことは、テレワークである。
テレワークによって通勤時間がなくなり、周囲から直接見られている時間がなくなった。
つまり生まれたのは「自分時間」であり、もう少し広げると「家族時間」が増えた。
巣ごもり消費ができたことにより、スーパー等の売上は伸びているが、旅行や外食は下がっている。
こうした時間の使い方の変化から、人々のニーズがどこからどこへ変遷しているかといえば「リコメンド」から「デザイン」への変化だと私は考える。
トレンドが「時短」だった理由は「自分時間がなかった」から
私ごとになるが、先日、家族と住宅展示場に足を運んだ。
そのときの営業担当が言っていたのが「トレンドは時短なので、キッチン近くで子供の宿題を見れるようにしたり、お風呂場に着替えが置けるような設計がされています」とのことだった。
そんな私は、今回のコロナ禍をきっかけに、ホームベーカリーを使って2歳の娘とパン作りを楽しんでいる。小麦粉にこだわって、パンを作っているなんて話を周囲にしたら、地元産の全粒粉を頂いたりもした。
また、嫁は今まで以上に整理整頓に勤しんでいる。家具を見直したり、料理道具を捨てて揃え直すなどをしていた。
いずれにせよ、この矛盾はなんだろうか?と思った。
答えは、通勤時間が「自分時間」になったのと加え、外食や旅行、お昼休憩のランチなどで解消していた「自分・家族時間」を家で活用するようになったから、「時短」というトレンドが消え始めているのだ。
知らず知らずのうちに、外で消費されていた(といった表現の方が正しいだろう)「自分時間」を家の中で使う。という風に、時間を自分のモノに取り戻していった状態だろう。
外からの刺激が弱くなる
もちろん、ネット広告、SNSや動画配信によって、外からの「レコメンド」は引き続き行われるだろう。
しかし、外出したときに見ていたあらゆる情報は、テレワークではシャットダウンされている。
家の中では、携帯の電源を切りテレビを消せば、情報から遮断される状態になるが、外ではそれでも情報はシャワーのようにやってくる。
だから無意識のうちに「レコメンド」を数多く受けている状態になっていたのだ。
「自分時間」を確保できたことによる、最も大きな部分が私はここにあると思う。
自らが受けたレコメンドについて「考える時間・創造する時間」を持てることになったから、「デザイン」の時代となるだろう。
投資信託など、生活にこだわる
- 若い世代に広がる資産形成 コロナ禍が背中押す(2020年12月27日日本経済新聞)
モノ・カネの使い方に関して、考える時間があれば、更に整理整頓をし、自分らしくデザインしていく。
それが顕著に現れているのが投資信託だ。将来を見据えて、資産形成をする考え方が若い方に広がっているという。
ここから見ても、やはり自分の身の回りに関連する、ヒト・モノ・カネに対する意識がより高くなっている。
過去からの決定ではなく、未来からの決定を
まとめであるが、レコメンドは、過去の履歴から集積された情報に対して、デザインは、未来にワクワクしながら、家族や家や仮説を立ててみる事だ。
投資信託は、以前もあった仕組みだが、新しくやる人にとっては、それはレコメンドではなくデザインだろう。
自らが、新しいことを開拓し、身近な人との人生をデザインするような時代がよりやってくるだろう。
対照的に企業も、そんな顧客の動向を見極めながら、新たな+αを提案し、市場に投げていくことで、テレワークによる効率化を終えた先の未来を、一歩先に踏み出せるはずだ。
我々も、そのようにその会社にとっての+αを提案し、拡大をしていくことが強みだと自負し、来年も精進していきたい。