SIer営業に多い「刺さらない提案」の原因と解決アプローチ

SIer営業は、他業界と比べても提案難易度が高い。理由は明確で、顧客側の意思決定に複数部署が関わり、要件が流動的で、課題が曖昧な状態で相談されることが多いからだ。その結果、「頑張って提案したのに刺さらない」「他社に持っていかれた」といった悩みが繰り返し発生する。

では、なぜ“刺さらない提案”は生まれてしまうのか。そして、どうすれば“選ばれる提案”に変えられるのか。本記事では、SIer営業が現場で直面しがちな思考プロセスをもとに、原因と解決のアプローチを整理する。

失注すると、営業は何を考えるのか?

SIer営業が失注したとき、頭の中には次のような理由が浮かびやすい。

  • 予算が合わなかった

  • 提案内容が弱かった

  • 競合の提案が魅力的だった

もちろん、これらは“表向きの理由”として顧客からもよく言われる。しかし、現場で営業パーソンの思考を深掘りしていくと、最終的には次の一点に行き着く。

「お客さんとの関係ができていなかった」

これが刺さらない提案の“コア原因”と考えるのだが、しかし「関係ができている」とは一体なんだろうか。。

関係構築ができない営業の典型ループ

実際、弊社講師の観察では、次のような思考ループに陥る人が多い。

  1. 関係を深めたい。でも怖い。

  2. 深める方法が分からない。

  3. 新規では、ほぼ無理だよな・・。

  4. 既存でやるとしたら…

     - 顔を出す頻度を増やす(でも限界があり、営業活動に支障がでる)

     - 雑談を増やす(できても深まらない)

  5. それでも深まらない

  6. そしてまた①に戻る

このループの中で、営業は次第に疲弊する。「関係を深めろ」と言われても、そもそも深めるための“技術”を教わっていない。だから、顔を出す頻度を増やしたり、無理に雑談をしたり、相手の興味を探してみたり…といった “努力の量”で解決しようとしてしまう。

しかし残念ながら、量では関係は深まらない。むしろ顧客側からすると、

「よく来てくれるいい人」

「雑談ができる担当者」

にしか見えず、意思決定に影響するような“信頼関係”には到達しない。結局「刺さらない提案」は改善しないのだ。


貴社特有の“刺さらない提案”の原因は?

IT/SIerの企業様から“提案が刺さらない”という声を多く聞きます。
しかし、話を伺うと、その原因は3パターンに分かれています。

「自社の原因はなんだろう?」と思われた方は、
3分でその原因を特定してみてください。

※診断結果はその場で確認できます
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刺さらない提案の根本原因は「質問の向き」がズレているから

営業は「もっと情報を集めないと」と考える。だが、この時の質問はたいてい営業側の都合によるものだ。

  • 予算は?

  • いつまでに?

  • どれくらいの規模感ですか?

  • 他社はどこが入っていますか?

必要ではあるが、これだけだと顧客の心は開かない。“質問の向き”が自社に向いているからだ。顧客が本音を語り出すのは、「この人はうちのことを一緒に考えてくれている」と安心したときだけである。

そのために必要なのは、次のような“理解のための質問”である。

  • 「今回いちばん避けたい失敗ってありますか?」

  • 「このプロジェクトがうまくいくと、社内でどんな良いことがありますか?」

  • 「今回の背景って、どこから始まっているんでしょう?」

提案のための質問ではなく、相手の世界を理解するための質問。この違いが、関係性を一気に変える。

刺さる提案が生まれる瞬間は“前工程の対話”で決まる

刺さる提案には、必ず次の3つが揃っている。

  1. 顧客が「自分の課題」を言語化できている
    • 質問によって、顧客自身のもやもやが整理される。
  2. 顧客が「何を大切にしたいか」を話せている
    • 価値観が見えるため、提案の方向がズレなくなる。
  3. 営業と顧客の間で「成功条件」が共有されている
    • 提案書を作る前に、ゴールのイメージが一致している状態。

この3つが揃うと、提案は圧倒的に刺さる。逆に言えば、この3つが揃わないまま作る提案は、どれだけ時間をかけても選ばれない。

つまり、提案書の前段階で勝負はほぼ決まっている。


“努力の量”ではなく“対話の質”が関係を作る

営業パーソンの多くは、関係構築を“量”でなんとかしようとする。

  • 訪問回数を増やす

  • 雑談を広げる

  • 顧客の好みを覚える

もちろん悪くはない。だが、実際に営業が求められているのは「回数」ではなく、“この人と話すと、自分の状況が整理される”という体験。

その体験があれば、顧客は自然と営業を“相談できる相手”として認識する。そこから刺さる提案が生まれる。

Relation Shiftの視点:ヒアリング力は“関係を変える技術”

ヒアリングというと「情報収集のスキル」のように聞こえるが、実際は違う。

「ヒアリング力=関係性を創る力」であり、刺さる提案を作り続けられるど真ん中のスキルなのだ。

  • 顧客の内側にある背景

  • 現場のリアル

  • 部署間の温度差

  • その会社特有の価値観

これらにアクセスできて、初めて“本当に刺さる提案”を作る土台が整う。今、SIerの営業が求められているのは情報収集型ではなく、関係創造型のアプローチである。提案の質を高めたいなら、“質問の向き”と“対話の質”を変えることが、最も再現性の高い解決策になるのだ。

貴社特有の“刺さらない提案”の解決策は?

IT/SIerの企業様から“提案が刺さらない”という声を多く聞きます。
しかし、話を伺うと、その解決策は3パターンに分かれています。

「自社の解決策はなんだろう?」と思われた方は、3分で特定してみてください。

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