【お客様の声・KICホールディングス株式会社様】「背骨を矯正する感覚」— 経営者の思考を整えた、エグゼクティブ・コーチングの力

この度、エグゼクティブ・コーチングを導入いただいた、KICホールディングス株式会社 会長 峯田 勝之 様にお話を伺いました。上場を視野に入れた組織づくりの時期に、経営者として何を求め、何が変わったのか。その軌跡と今後の展望についてご紹介します。
| 要件 | 企業名:KICホールディングス株式会社 業種:不動産投資開発・資産運用 目的:経営者の意思決定力・組織マネジメントの強化 |
|---|---|
| 期間 | 2022年〜2024年 |
クライアントの背景
KICホールディングス株式会社は、物流不動産の投資開発・資産運用を中核に事業を展開。フロント・ミドル・バックの3チームで組織を構成し、上場を視野に入れた経営基盤の強化に取り組んでいました。
1件あたり数十億規模のプロジェクトを3〜4年かけて手がける事業特性上、市場環境の変化、金利、人材確保、外部ステークホルダーとの関係構築など、多くの変数を経営者自身がコントロールし続ける必要があります。プロジェクトひとつひとつが「小さな会社」として動き、完了すると次へ移る——そういうビジネスの構造の中で、峯田会長は組織づくりと意思決定の両方を担ってきました。
エグゼクティブ・コーチングを導入したのは、まさにそのような時期でした。
KICホールディングス株式会社 会長 峯田 勝之 氏について
略歴
1989年、明治生命保険相互会社(現明治安田生命保険相互会社)入社。2005年にAMBプロパティコーポレーション(現プロロジス)日本支社代表に就任し、国内物流不動産投資事業を統括、国内ポートフォリオを構築。2009年、KICグループ株式会社を設立。2012年、KICアセット・マネジメント株式会社代表取締役に就任し、物流不動産の開発および日米両国にてアセットマネジメント事業を展開。現在は会長として、次なるフェーズの事業展開を牽引している。
主な社外活動:日本物流不動産評価機構委員 / セルフストレージ証券化推進協会 代表理事
会社概要
KICホールディングス株式会社は、物流不動産投資開発・資産運用を中核に、フロント・ミドル・バックの3チーム体制で事業を展開。日米両国でのアセットマネジメントを手がけ、次なる事業展開に向けて歩みを進めている。
担当者インタビュー

KICホールディングス株式会社 会長 峯田 勝之 様
Q. 2022年当時、どのような状況でしたか?
会社の形がようやくできてきて、ビジネスモデルが徐々に回り始めた頃。しかし、そこに至るまでも、維持し続けることも、どちらも大変だったと峯田会長は振り返ります。
「毎日が、自転車を一生懸命漕いでいるみたいな。ペダルを止めたら止まってしまう。常に回し続けないといけない。」
上場を見据えたこの時期に、バックチームの機能強化、勤務ルールの整備、会社の価値観の言語化、そして各チームの目標と個人目標の紐づけ——組織の土台づくりを並行して進めていました。
Q. 経営者として、人材面での課題はどこにありましたか?
「一言でいうと、人の扱いが一番難しい。」
峯田会長は、外資系企業でのキャリアも持つ経営者です。アメリカ型の経営と日本型の経営の違いについて、こう語ります。
「アメリカはデジタル経営がしやすい。職務の範囲と評価基準を明確に設計すれば、それに基づいて人を動かせる。パフォーマンスが下がれば解雇できる、そういう建て付けになっている。」
一方、日本では法体系も文化も異なります。
「日本はアナログ経営。人の感情を無視すると、必ず反動が来る。従業員のモチベーションを上げながら経営しないといけない。そういう意味では、手枷足枷がついている。」
ルールが違う以上、アメリカ型の仕組みをそのまま持ち込んでも機能しない。制度だけでなく、人の感情や関係性を含めた「ピースピース」をコントロールしながら経営していく必要がある——それが、峯田会長が長年向き合ってきた課題でした。
さらに中小企業特有の難しさとして、こう続けます。
「プロの人材でないと指導しないといけない。できなければ、自分自身が全業務をやらざるを得ない。それをやりながら、社員教育もやっていく。」
意思決定も育成も、経営者に集中しやすい構造。それが、自転車を漕ぎ続けながらも組織を前に進めなければならない、日々の実態でした。

Q. コーチングを選んだ理由は?
「大学の後輩である西勝さんが、自分で教育コンサルティングの事業を立ち上げたことを知ったから。あとは人柄。それと、自分もちょうどそういうものを探していた。タイミングもある。5年前だったら必要なかった。こっちも必要としていたし、向こうもサービスを提供していた。」
上場を見据えた組織づくりの時期に、必要なものが重なった。論理ではなく、タイミングが合った——そういう言葉でした。
Q. コーチングを受けてみての率直な感想は?
「忙しい中でやっているから、振り返りもできる。とにもかくにも、自分の思っていることを素直に話すことができる——会社の中では唯一の機会でした。」
経営者という立場上、社内で本音を話せる場面は限られます。それを踏まえて、峯田会長はこう続けます。
「ある意味、精神安定剤みたいなものを感じましたね。気持ちが安定する。セッションを受けることによって。だからある意味、セラピーに近いかな。経営セラピーみたいな。」
「セラピー」という言葉に込めた意味を、峯田会長はこう説明します。
「セラピーだから、科学的な根拠・裏付けがある。体で言えば、背骨がちょっと曲がっているから矯正します、という感覚。やった後に、正常に戻っている。そういう感覚です。」
Q. ご自身の変化として感じることはありましたか?
「やっぱり自分の精神状態が悪いと、正しいジャッジメントができない。人に強く当たるとか、ミスを責めるとかになりがちなんだけど、むしろそうじゃなくて——間違いは間違いでいいから、それを正して次にどう活かすか。そういうマインドセットを持ちやすくなった。」
ミスを責めるのではなく、改善に向かう。その姿勢が、組織全体の判断の質にも影響を与えていったと言います。
Q. 今後の展望は?
会社では毎週月曜の朝、全員でこう唱和しているといいます。
「今日よりも明日、明日よりも明後日。一日一歩前進、年成長240歩。」
365日のうち実働240日、その一日一日を積み重ねていく——その姿勢が、会社全体の文化として根付いています。
「ゼロからものを作っていくのは、結構なエネルギーがいる。ないものを作っていくのがチャレンジングでもあるけど、とにかくスピードがないと勝てない。それをやり続けるしかない。」
走り続ける経営者が、どこで軸を整えるか。その問いに対する峯田会長の答えが、このコーチングでした。
編集後記:Relation Shiftから見た、峯田会長との対話
峯田会長が「経営セラピー」と表現したとき、私の中に深く刻まれた言葉があります。
「会社の中では唯一の機会」——これは、経営者という立場の本質を突いた言葉です。
組織の中で経営者は、常に決断を求められる側にいます。本音を話す相手がいない。振り返る時間もない。そういう中で、定期的に「軸を整える場」があることが、判断の質を変えていく。
峯田会長の言葉は、リレーションシフトのエグゼクティブ・コーチングが何を提供しているのかを、私たち自身が改めて理解する機会にもなりました。
「仕事って知恵比べだし、そういう意味では無限大。いろんな人との出会いも、無限大に近い。」
その言葉通り、これからも峯田会長の挑戦に伴走できることを、楽しみにしています。
担当チーム
西勝 譲
代表取締役/エグゼクティブコーチ
本プログラムでは、メインコーチとして定期的なセッションを担当しました。経営者が「自分の思っていることを素直に話せる場」をつくることを最優先に、対話の構造を設計しています。
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