「本当に自分は社長にふさわしいのか?」から始まった、新任社長の言葉の芽吹き
どのような支援を通じて、どんな変化が生まれたのか?
ここでは、現場とリーダーが動き出したリアルな変化の物語をご紹介します。
IT企業Y社 経営者向けエグゼクティブ・コーチング
要件 |
業種:IT企業 Y社 年商:非上場 / 年商1〜9億円 対象者:代表取締役社長 提供サービス:エグゼクティブ・コーチング |
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期間 | 6ヶ月×2クール(計12ヶ月) |
成果・ハイライト
- 新任社長が「自分の言葉」で自社ビジョンを語れるようになり、社内外への発信力が大幅に向上。
- 経営者としての意思決定軸が明確になり、組織との信頼関係が再構築され始めた。
- 社内コミュニケーションの活性化と、未来に向けた共創的な対話文化の芽吹きを実現。
レポートReport
第一章:「なぜ自分が社長なのか?」という問いから始まった
Y社の代表に就任したばかりの社長が、コーチングの冒頭で口にしたのは意外にも、こんな言葉だった。
「正直、なぜ自分が社長に選ばれたのか、分からないんです」
創業社長からのバトンを受け取った後、社内外の関係性や事業の方向性に向き合うなかで、自身の立ち位置への違和感を抱えていた。
「自分はまだ“社長”という器ではないのでは?」そんな問いが、深く静かに横たわっていた。
第二章:自分の“思考のクセ”に気づいたとき、意思決定の輪郭が見えてきた
コーチングでは、まず社長の無意識の行動パターンや意思決定の傾向を可視化することからスタートした。日々の判断の中に潜む「迷い」や「遠慮」の正体を明らかにしながら、何にアクセルを踏み、何にブレーキをかけているのかを整理していった。
「経営者は、自分の意思で未来をつくる立場にいる」
その事実と再びつながったことで、社長自身の視界がクリアになっていった。
特に印象的だったのは、社長本人が「証券会社との打ち合わせや社内の全社会議で、自社の強みや制度設計の背景を、やっと“自分の言葉”で語れるようになったんですよね」と仰っていたことである。
第三章:自信が生まれたとき、発信がはじまった
このプロセスのなかで社長は、「社内外に言葉を届けていく必要がある」と感じるようになった。
コーチング終了後、毎週1通のメルマガを配信することにした。そこには、現場で感じたこと、自社の今後への想いが率直な言葉で綴られている。
メルマガだけでなく、自身の考えている事を素直に発信する場を社内にもつくり「こういうこと、できるかもしれませんね」とアイデアが返ってくるようになった。
「自分の言葉で語る」という営みそのものが、静かに社内の空気を変え始めていた。
まとめ:問いを言葉にしたとき、組織はゆるやかに動き出す
この1年間で、社長の「問い」は、役割への迷いから、自社の未来を描く確信へと変化していった。
問いに向き合い、自分の言葉で語るようになったことで、社長自身の意思決定も、組織との関係性も、確かに動き出している。
私たちは、「問いに気づくこと」も大事だと思っていますが、「問いを自分の言葉で語り始めた瞬間」こそが、組織の変化の火種になると信じています。
Relation Shiftは、そんな“問いの火種”とともに歩み続けます。