「提案するって、なんですか?」──技術者たちが動き出した、6ヶ月の問いの旅
どのような支援を通じて、どんな変化が生まれたのか?
ここでは、現場とリーダーが動き出したリアルな変化の物語をご紹介します。
ITインフラ・ソフトウェア企業C社 選抜若手・中堅社員向け提案力IT人材育成プロジェクト
要件 |
業種:ITインフラ・ソフトウェア企業 C社 上場区分:東証スタンダード市場 年商:10〜99億円 対象者:選抜若手〜中堅社員(SE職) 提供サービス:提案型IT人材育成プロジェクト |
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期間 | 6ヶ月(研修)+ OJTフォローアップ1年間 |
成果・ハイライト
- 技術者中心だった組織で、顧客視点を持った提案型人材が育成され、初の受注・アップセル提案に成功。
- 受講者の主体的行動(顧客提案、ミーティング企画、部署間連携)が自然発生するカルチャーに変化。
- 経営層から「こんなに変わった研修は初めて」と評価。2期生育成への自走支援体制も始動。
レポートReport
第一章:「提案するってなんですか?」から始まった
C社が抱えていたのは、「技術力はあるが、自ら提案しない・できない人材ばかり」という構造的な課題だった。
クライアント企業の方針としては、下流から上流へと業務領域を拡大していく中で、“提案できるSE”を社内に増やすことが喫緊のミッションとなっていた。
そんな中、選抜メンバーに対して研修の目的を伝えると、こんな言葉が返ってきた。
「提案するって、なんですか?」
「お客さんと話すの、そもそも苦手なんで…」
それは、能力不足というよりも、「自分にそんな役割があると思っていない」ことが根っこにある問いだった。
第2章:問いを「言葉」と「動き」に変える6ヶ月
研修は「座学」と「実践」の二本立て。単なるスキル習得ではなく、“技術者の意識進化”を目的とした設計で行われた。
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座学フェーズ(全6回)では、
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顧客の課題を見立てる仮説力、対話を通じた深掘り、提案の構造などを言語化し、宿題→フィードバックの反復で定着。
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実践フェーズ(全6回)では、
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ロールプレイ・動画撮影・振り返りを重ねることで、実際の提案行動が“自分の言葉”になる感覚を育んでいった。
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ある受講者はこう語った。
「“提案”って、セールスみたいなことだと思ってました。でも違いました。
相手の困りごとを自分ごととして捉えるって、こういうことなんですね」
この感覚の変化が、行動の変化を生んでいった。
第3章:上流に向けた言葉が、生まれはじめた
6ヶ月の研修を終えた後、受講者の一人はOJTのなかで自ら提案を行い、実際に受注を獲得した。
また、複数名がアップセル・クロスセルにつながる“初めての提案”を経験し、営業からも驚きの声が上がった。
社内でも、顧客との定例ミーティングを自ら企画する動きや、部署をまたいだ情報共有会への参加が自然と増えていった。
取締役の方がこう語っていた。
「こんなに変わった研修は初めて見ました」
組織に浸透していた“指示待ち”の空気に、静かな変化が起きていた。
まとめ:「提案できる人材」は、生まれるのではなく、問いから育つ
C社が取り組んだこのプロジェクトは、スキル研修ではなく、「問いから始める意識改革」だった。
「自分にできるのか?」という問いを、研修を通して「自分にもやれるのかもしれない」へ。さらに「自分がやらないと、会社は変わらないかもしれない」へと、問いの質が変わっていった。
今では、研修を終えたメンバーが、次の選抜2期生に向けてサポーターとして関わる動きも始まっている。
技術職だからできない──ではなく、問いを通じて「やってみたい」に火が灯る。そんな人材育成の形が、いま確かにここに芽生えている。
Relation Shiftは、こうした問いと共に歩み、育成の“仕組みごと進化させる”パートナーであり続けたいと思っている。