技術者から提案型IT人材へ—C社の戦略的人材育成プロジェクト

ITインフラ・ソフトウェア企業C社 選抜若手・中堅社員向け提案力IT人材育成プロジェクト

要件

東証スタンダード市場 / 年商10〜99億円

上流の提案活動を積極的に行えるIT人材の育成

期間 6ヶ月(トレーニング終了後、OJTを1年間実施)

実施内容

本研修は、クライアント企業の選抜メンバーを対象に実施された。会社の全体戦略として、アップセル・クロスセルを行い、より上流の活動をしていくために、従来の技術者視点だけでなく、顧客視点を持った提案活動を行うことを目的とした。

  • 受動的な姿勢から能動的な姿勢へのマインドチェンジ

    • 自身の仕事の仕方の振り返り

    • 現場での顧客との会話を想定したシミュレーション

  • 実践を通じた提案スキルの定着

    • 実際の商談シナリオを活用した提案演習

    • 受講生が顧客提案を行い、フィードバックを実施

    • 顧客との関係構築スキル向上のための対話演習

レポートReport

背景

IT企業のC社は、システム開発の受託案件を安定的に受注していたが、ビジネスモデルの拡大・変化の必要性が迫っており、その中で、以下の課題を抱えていた。

  • 2次請け・3次請けで受け身の営業スタイルになっている

  • 案件の拡大や新規受注に向けた提案活動が弱い

  • 顧客の課題を深掘りし、付加価値の高い提案ができる人材が不足している

そのため、提案型SE人材の育成を進めることが急務となった。

課題
  • 会社全体の提案力が不足し、受注拡大につながらない

    • 指示待ちになり、自発的な提案活動が進まない

    • 自身の役回りの所のみを行っており、それを越えた提案等の会話が社内にない

  • 顧客との関係構築が固定され、上流の仕事に向かえない

    • 現場のオペレーション提案ばかり行い、ビジネス提案に意識が向かない

    • 下流から上流に向かうイメージしかなく、そもそも上流しての振る舞いができない

研修内容

「座学」と「実践」というテーマで、各テーマ月1回ずつを合計6回おこなった。両方をあわせて月2回・計12回実施した。

  • 座学フェーズ(全6回 / 1回3.5時間)

    • 顧客課題の抽出と本質的なニーズの見極め

    • 仮説構築力と質問力の向上

    • アップセル・クロスセルにつながる提案手法の習得

    • 各回ごとに宿題を出し、フィードバックを実施

  • 実践フェーズ(全6回 / 1回3.5時間)

    • 実際の商談シナリオを活用し、提案スキルをロールプレイングで磨く

    • 動画撮影による振り返りと改善

    • 受講者が顧客の課題を特定し、自ら意思決定できる仕組みを構築
    • 受講者が顧客提案を行い、フィードバックを繰り返し実施

成果
  • 提案型SE人材の誕生

    • OJT研修に進んだ際、5名中2名が今までにないアップセル・クロスセル提案を行い、うち1名は受注を獲得

    • 提案型のアプローチが強化され、営業支援の役割も果たすように

  • 指示待ち文化の改善

    • 受講生が自主的に定期MTGを設定し、顧客との関係強化に取り組む

    • 周囲の会話に積極的に耳を傾け、情報収集を進める意識が向上

6ヶ月を通した発表会では、取締役から「こんなに変わった研修はみたことがない」という言葉があった。

まとめ

本研修を通じて、技術者視点のみならず、顧客視点を持った「提案型SE人材」が育成され、C社にとって新たなビジネス拡大の「種」が完成した。今後もRelation Shiftは、事業課題・経営課題とつながった人材育成に取り組み、今回のC社の件でいえば、高度な提案スキルの習得に向けたフォローアップを実施していく。