管理職の役割変革|「仕事の振り方」が組織成長の鍵に
製造メーカーA社 管理職向けコミュニケーション研修
要件 |
「仕事を振る」をテーマにした、管理職向けコミュニケーション研修 |
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期間 | 4ヶ月 |
実施内容
製造メーカーA社の、管理職のコミュニケーション改善を目的とし、4回シリーズの研修を実施。本研修は、管理職が「仕事を振る」スキルを向上させ、部下の成長を促進することを主眼においた。研修では、管理職が仕事を抱え込む原因を分析し、適切な指示の出し方や報連相の質を高める方法を学習。ワークを通じて「仕事を振るレベル1〜3」のフレームワークを理解し、ロールプレイングやディスカッションを通じて実践的なスキルを身につけた。
レポートReport
背景
製造メーカーA社では、「コミュニケーションの活性化」を全社の教育テーマとして掲げていた。若手社員向けのヒアリング研修を実施する中で、「管理職が相手の話を聞けず、仕事を振ることが難しい」という課題が浮かび上がった。
この問題を解決するため、管理職向けの4回シリーズのコミュニケーション研修を実施することとなった。研修の目的は、管理職が適切に仕事を振ることができるようになり、業務の効率化を図ることであった。
課題
- 管理職が部下に仕事を振れず、業務の属人化が進んでいた
- 指示の出し方に曖昧さがあり、部下との認識のズレが発生していた
- 報連相が不足し、仕事の進捗が見えづらくなっていた
- 仕事を振ることに対する心理的な抵抗感が強かった
研修内容
本研修は3.5時間×4回の構成で実施された。
研修全体の構成
- 第1回:管理職の役割とは何か?仕事の抱え込みによる弊害の理解
- 第2回:仕事を振るレベル(レベル1~3)の整理と実践
- 第3回:伝わるコミュニケーションとズレをなくすワーク
- 第4回:振り返りと実践のポイント整理
研修の主要な内容
(1) 仕事を振るスキルの習得
研修では、「管理職の仕事はすべて自分で抱え込むことではなく、適切に仕事を振ることでチームの力を最大化できる」ことを学んだ。
「仕事を振ることが難しい」と感じる理由は、以下のような心理的ブロックがあるためである。
- 「部下に負担をかけたくない」
- 「自分でやったほうが早い」
- 「部下に頼んでも思うように進まないのではないか」
これらを克服するため、「仕事を振るレベル1~3」 のフレームワークを活用した。
(2) 仕事を振るレベルの整理
- レベル1: 仕事を振れない(残業が多く、部下の機嫌を気にしてしまう)
- レベル2: 仕事は振れるが、部下とのコミュニケーションが不足している(押し付けのようになってしまう)
- レベル3: 事実に基づいて適切に仕事を振ることができる
研修では、自分が現在どのレベルにいるのかを確認し、改善点を見つけるワークを実施した。
(3) 伝わるコミュニケーションとズレをなくす
部下に適切に仕事を振るためには、「伝わるコミュニケーション」が必要である。そのため、事実と解釈を分けて伝えるトレーニングを実施した。
- ワーク1:報告の仕方を整理(事実と解釈を分けて伝える練習)
- ワーク2:ヒアリング力の向上(動画を活用し、情報の聞き取りとズレの確認)
- ワーク3:ロールプレイング(部下への指示の出し方を練習)
成果
研修後、参加者の管理職からは以下のような変化が見られた。
- 仕事を振ることに対する心理的な抵抗が減った
- 仕事を振る際に「部下がどう受け取るか」を意識するようになった
- 事実と解釈を分けて伝えることの重要性を理解し、実践できるようになった
- 管理職同士のディスカッションを通じて、各部署での解決策を共有する機会となった
特に「仕事を振る際に、相手がどのように受け取るかを確認することが重要だと気づいた」という声が多く寄せられた。
まとめ
本研修を通じて、A社の管理職は「仕事を振ることは部下の成長にもつながり、組織の生産性を向上させる」という意識を持つようになった。
仕事を抱え込むことで発生する業務の属人化、残業の増加、部下の成長機会の損失といった課題を改善するため、今後も仕事を振るスキルを継続的に磨いていくことが重要である。Relation Shiftでは、企業の実態に即した研修を通じて、管理職のコミュニケーションスキル向上をサポートしていく。