部下に任せても仕事が進まない。どうすれば?

この記事は、部下を持ったリーダー・プレイングマネージャーに向けて書いている。

早速だが、あなたの周りにこんな若手社員はいないだろうか?

  • 言われたことをやらずに放置している
  • 状況を確認をすると、自分の非を認めず「これが分からないから進められない」等のできない理由ばかり言う
  • 検索エンジンで調べれば分かることも「どういうことですか?」と聞いてくる
  • チーム内で決められている役割を把握できておらず、お門違いな人に質問をする
  • しかし、自分のできたこと・やったことは積極的に言う

そんな社員を褒めたところで、仕事が捗るわけでもない。注意したところで、1日・2日少し変わったかな?と思うだけで、また元に元通り。改善も見られない。

正直、「コイツ、どうすればいいんだよ・・」と頭を悩ませるだろう。私も悩んだクチだ(今も悩んでいる)。今回は、そんな悩める上司であるあなたが、彼らとどう接すれば、結果の質が変わるのか?ということをまとめていく。

前提:期待は精神的疲弊の元

そもそも、彼らはそう容易く変わらない。なぜならば「自分で決める」という経験をしてこなかったからだ。

主観ではあるが、若手社員の1on1を1,000人以上行ってきた中で、この傾向は年々増えているように感じる。ようは子離れができず、子供の人生を、良かれで親が決めている家庭が、増えているということでもある。

人生において言えば、進学・就職・結婚などの岐路があるだろう。

しかし、彼らの思考は「親が◯◯って言うから」「先生が◯◯って言うから」「世間が◯◯だから」「広告に◯◯って書いてあったから」と、選択の理由を環境や周囲のせいしている。

だから一向に「誰がなんと言おうと私が決めた。結果がどうであれ、責任は選択した自分にある」という結論を出せない。

たとえ、一度注意をして行動改善が見られとしても、「上司が◯◯って言うから今はおとなしくやっておこう」という思考だ。

最終的には「私は悪くない。こんなに頑張っているのに私を否定してくる。認めてくれない。上司が悪いので、私は別に今のままで良い」という結論に行く(そこに本人は気付いていないし、それを自分で決めているのだが)。

まるで子供のようだと感じるかもしれないが、その通り、いくつになっても子供なのだ。

だから、行動改善が継続しない。このようなサイクルが続くので、少し行動が変わったり言動が変わると、上司としては、一瞬期待し、また失望するだろう。

ということで、一喜一憂していたら精神が持たないですよ。という話だ。

だからといって「じゃあ変わらないのね。もう仕方ないね」では、我々のような存在の意味がない(笑)こうしたメンバーをどう変化させていくかを話していきたい。

逃げられない危機を作ることに向き合う

彼らは、常に逃げ場所を探している。「いざとなれば転職すればいいし」「いい副業ないかな」などを考え、自分に逃げ道を作っているのだが、どこまで行ってもそれは自分の可能性を狭めることだという事には気付いていない。

大きな話をすれば、そのような人生も良いだろう。

しかし、何かの縁で一緒にビジネスの現場で働いている仲間なのだから、しっかりと向き合わせることが上司である我々のやることだ。

さて、彼らが逃げ場所を探しているということは、常に思考の中に逃げ道を用意している。つまり「曖昧にする」ことが大好きだ。

責任の所在や期限・数字を曖昧にし「やった風」「できた風」を見せて「私は悪くない・できている」アピールに忙しい。

おそらくあなたはそんなハリボテを見て、何度も工夫を凝らしながらコミュニケーションを取ってきただろう。それにくたびれる気持ちも大いに共感する。だが、やり続けるしかない。

何をすればよいかというと、勝手に自分で役割や期限を決めて相手不在のコミュニケーションをしていることに、危機を感じてもらう設計をすることである。

捻じ曲げず事実を口に出させること

具体的には「責任の所在を明確にしてズラさないこと」「決めた期限を明確にして、ズラさないこと」だ。

責任の所在については、シンプルに、依頼したことを責任を持って遂行してもらうことだ。彼らは、いつの間にか「それ、私がやることでしたっけ?」とか「いや、そう言われてはいなくて」という風に勝手に自己解釈して自分の役割を決める。

だから議事録を取るなり、メモを取るなりして、言質を取るのが良い。「あなたはこの役割だったよね。今進捗がどうなってるの?」と聞いて、しっかりと自分の状況に責任を持って捻じ曲げず事実を伝えさせることが重要だ。

期限についても、同様に事実を捻じ曲げずにありのまま見せることが重要だ。上司のあなたからすれば「できる・できない」よりも、進捗が分からない方が困るだろう。

「期限が◯日だったけど、今こんな状態なんだね。それで、これからどうするの?」と聞いて、こちらもしっかりと状況に責任を持ち、自ら決定をさせていくことが重要だ。

そうしないと、いつまで経っても自分で決められず周囲のせいを貫いてしまうことになる。

繰り返し伝えるが、これを何度やれば気が付き、お尻に火がつくのか?ということに関してはまだ我々もわからないが、一時的な効果は実証済だ。

それによって、行動の質が改善され、結果の質の改善もみられた。

かくいう私も、ここで言う部下のような所があるので、人の事は言えるクチではないが、引き続き実験中である。

会社としてどうありたいのか?

少し番外編になるが、彼らは「できない・足りない・分からない」というポジションが大好きだ。

時には顧客に対して「今日のお打ち合わせの目的ってなんでしたっけ?」なんて確認をしてしまう。

自ら責任を持って選択していないことが、実は本気を出していないことと、ニアリーイコールだと私は思う。

相手のせいにして、環境のせいにして、身を隠しているのだから、裸で勝負していない。だから本気を出していないし、本気の出し方も分からないのだ。

しかし、それは良し悪しの問題ではなく、「会社としてどうしたいか」だけだ。

弊社は、RelationShiftという名を体現する組織として、関係性を変化させていくことに道があることを確信している集団だから、上記のような発言を通して、刺激を与えて互いに変化の道を歩んでいる。

まだ道半ばではあるが、泥臭く人間関係に対して真摯にぶつかっていきたいと思っている。