結果が出ないリーダーの特徴は主語が常に「わたし」
この記事は、売上を高めたいが、部下である若いリーダーが自分の理想や思い込みばかり語っており、事実や結果について議論できずに悩んでいるマネージャーに向けて書いている。
目次
「結果が出る」より「やりたいことができる」を優先する部下たち
15年前であれば「いやいや、あなたの思い込みとかどうでも良くて、お客さんにそれ言われたんでしょう?それ仕事だからね。仕事して」という風に話を一蹴することができた。
しかし、今は「自分の人生」「私のやりたいこと」というメッセージがSNS上にも流れ「個人の時代」が先行している。そして、キュレーションメディアなどが拍車をかけている。
その流れが、企業にも入っている。◯◯ハラスメントが浸透し、エンゲージメントという単語が一人歩きをし、退職代行が現れている。
極めつけは、それにHR Techを使うなどして対策をしても、全くと言ってよいほど結果が出ていない。
極端に言えばサークルのように会社で振る舞う、結果の出ない部下のチームをどうしたらよいか?という依頼をいただくことが増えた。
では、そんな結果の出ない部下の特徴について、書いていきたい。
結果が出ないことに対する姿勢を見極める
結論から言えば、部下の主語をみることで「結果を出せるか出せないか」の、診断は可能だ。
長く仕事をしていれば、その人の「素」がところどころに出るときがあるだろう。
単語では「目標達成が」「チームが」「クライアントが」といったことを使うかもしれない。しかしチームアップが起きず、チームでやろうと決めたことが継続されない、なんてことはないだろうか?そんな時は、自身も含めてメンバーの主語を見直してほしい。
会話の着地点は誰が主語になっているか
先日行ったチームビルディング研修で「どんな事をするとチームがまとまるのか?」という問いを出すと、下記の回答が返ってくる。
- 自分とメンバーの強みと弱みをそれぞれ言う
- Credoを読んで個人の定性目標と照らし合わせる
- 「こんな時が実はSOSだ」ということの共有をする
どれも良いアイディアだと思うし、やってみたら今までと違う何かが生まれるだろう。
多くのメンバーは、こうした問いを上記のアイディアのように回答することができるが、あなたも経験がおありのように、発言者が責任を追わずに実施のときに離脱して、継続が起きない事が発生する。
言ったら言いっぱなし。やったらやりっぱなし。共有したら共有しっぱなし、というやつだ。
この状態が、主語が「わたし」の状態である。
「わたし」が主語ではチームの業務が滞る
新しいことを試みるのは、当然エネルギーがいる。
自分の業務・自分のやりたいことを優先にしていれば、全体で決めたことは後回しになる。
無意識的に、この優先順位の付け方をしていて、行動にあらわれている。
会社を主語にすれば、自分の業務と全体で決めたことはつながっているのに、それが見えないから、全体とつながっていない自分の業務を優先し、逆に生産性が低いようなチームになってしまっている。
結果的に、チームでも結果が出ないし、個人でも結果が出なくなっていく。ようは、チームと私の紐付けが起きておらず、「言われたから」「業務としてやらないと怒られるから」やっている状態だ。
主語を「チーム」にすること
サークルのようなチームから、成果を追求する会社組織に変えるためには主語を「自分」から「チーム」に変えることである。
一言で言えば、とてもシンプルなのだが、これが難しい。
なぜならば、主語を変えること行動変容の問題ではなく意識変容の問題だからだ。
強引にチームを主語にしようとしても、自分が満たされていない状態だと、逆に軋轢が生じるが故、細かな階段を作りながら、現在地を見極める必要性がある。
リーダーが主語をぶらさずにいること
だから、チームのアイデンティ状態を図り、常に+αを起こせるような目が必要だ。
時には刺激を入れ、時にはアクセルを踏ませるようないわば家の設計図を書くような役割である。
ぜひ、マネージャーであるあなたの主語を「チーム」にしていただき、はじめの一歩を踏み出してほしい。・・と言われた瞬間に、あなたは「わたし」と「チーム」どちらを選んだろうか?
その選択が、今のチームとメンバーをつくっていることを忘れずにしていただけると嬉しい。
そうはいっても、これについてはとても難しい意識の使い方である。ぜひ専門家に頼るなどして、会社としての知見を広げていってくれたらと願っている。