1on1の効果を高め生産性をあげるためには?

テレワーク時代を迎え、多くの企業が1on1を導入するようになった。しかしながら、1on1が機能しておらず、「目標設定ミーティングが増えたような感じで、逆に生産性が悪い」と上司・部下両方から話を聞くことがある。前回の記事では、1on1の効果がない理由は、「前提が評価中心」だからという結論を出した。では、評価中心から理解中心のコミュニケーションに変えるために、どのような設計をすれば良いのか?をお伝えしたい。

テレワーク時代に1on1が流行る理由

そもそもテレワークの時代に1on1導入が進んでいるが、この理由はなんだろうか。これは、誰しも実感があるが「ふとした事を聞けなくなった」現状があるからだ。

社内に話したい相手がいれば、ふと気になったことも「あれってどうなったっけ?」と話をすることができるが、いないとそうも出来ない。業務の進捗等は、Slackなどで共有しながら進めているが、そうした「ふと気になったこと」を話す場がなくなっている。

だから、1on1を通して、その分を解消しようという考え方が主流だが、ある調査によると約50%の割合で、業務の進捗や進め方を話しているという。その内容が「ふと気になったこと」であれば良いのだが、私が部課長層にメンタリングをする中でみえるのは、信頼関係を深めるような1on1は出来ておらず、普段のMTGで行っている業務進捗の確認で終わっている。

では、どうすれば、本来の効果をもたらす1on1ができるのだろうか?

1on1は「3」でやると効果があがる

通常、1on1は上司・部下でやるのだが、我々は「3」を使って1on1を実践することをおすすめする。これは、上司・部下・第三者という意味での「3人」ということである。理由を話していきたい。

理由1.目的がブレにくくなる

1on1は、下記の目的で実践されるべきだ。

  1. 信頼関係の構築
  2. 業務に関する確認・議論
  3. 意思決定と実践

どうしても、この目的を1回の1on1で達成しようとする、それが誤っている。最低でも3ヶ月は「1.信頼関係の構築」に主眼をおいて行うべきだ。

しかし、上司・部下の2人だと、共に仕事をしているので、「お互い忙しいから」と、業務のスキマ時間に1on1が行われるような状態になる。すると「2.業務に関する確認・議論」が始まってしまい、効果が弱くなってしまうのだ。

第三者が入ることで、1on1の目的を再認識した上で、時間を使うことができる。第三者は“1on1リーダー”のような役割で入ると良いだろう。「忙しいのだから、業務の話をしたほうが良いじゃないか」と考えがちだが、それは、そもそも1on1ではないので、実施しないほうが良い。

理由2.評価中心の1on1からの脱却

部下の事を思いやる上司であれば、「上司は部下を客観的に評価し、成長を促す役割である」という認識を持っているだろうが、その認識が1on1では邪魔をしてしまう。なぜならば、1on1は、部下を評価する場ではなく理解する場だからだ。

しかし、言葉で言ったとしても、普段から評価する立場なのだから、いきなり修正をするのは難しいだろう。だから第三者が入って、評価しているポイントの指摘と、部下の伝えたいことを翻訳して伝え、相互理解を促す役割を持つことが必要だ。

これは上司が部下の理解を促すだけでなく、部下が上司の理解を促す効果もある。

まとめ:第三者がうまくいく理由は判断がないから

最後に、1on1の導入には我々のような、社外のプロフェッショナル人材を活用することを強くおすすめする。第三者が1on1に効果をもたらす理由は、その相手と会ったことも話したこともないため、評価・判断しようがないからである。

まっさらな状態で入れる上に、評価中心と理解中心のコミュニケーションを実践しながら指導することが可能であるため、後々の、貴社1on1の内製化に繋がることが出来る。ぜひ一度ご検討いただけると嬉しい。