売れる営業と売れ続ける営業は何が違うのか?

この記事は、日々のノルマに追われながらも、チーム全体の売上獲得に向けて走っている営業課長層に向けて書かれている。コロナ禍により企業や個人の消費マインドが冷え込み、一部の産業を除いて商品を売ること自体が難しくなっている今、営業活動の工夫がますます求められている。

皆さんのお客様もお財布の紐が固くなり、従来の方法ではなかなか売上が立たなくなっているのではないだろうか?「そんな中、営業チーム全体でどのような工夫をしていますか?」と聞かれたら、どのように答えるだろうか。

例えば、以下のような取り組みを挙げるかもしれない。

  • 既存顧客だが最近は取引のない会社にDMを送る
  • 逆に電話をかけて新規営業を強化する
  • 現在バブルとなっているIT企業等にアポイントを取る

これらの取り組みは間違っていないが、環境に左右されながら、気合と根性で売上をあげようとしている状態であることに気づいているだろうか?

環境に左右されるのはなぜか?

その理由は、商品の売り方にある。商品自体をどのような視点で捉えるかによって、その商品の価値は大きく変わる。例えば、食品メーカーがスーパーマーケットの売り場の一部に商品を置く場合と、売り場全体をコンサルティングする場合では、取引金額が大きく異なるだろう。

前者は、会社の方針が変わったら取引が終了する可能性が高く、売上が100万円か0円かという瀬戸際で戦っている。しかし、後者は、方針が変わる段階で相談を受けるかもしれず、たとえ一時的に景気の影響で売上が下がることがあっても、長期的には安定した取引が期待できる。だからこそ、顧客の環境に左右されず、売上を維持できるのだ。

いの一番に相談される相手となるためには

この違いを生むのは、顧客の立場に寄り添えているかどうかである。先のスーパーの例に戻ると、営業マンがただ商品を入れる業者としての立場に留まるのか、それともスーパーマーケット全体を見渡し、提案できるコンサルタントとしての立場を築けるかで、相手からの評価は大きく変わる。

売れる営業は、目の前の商品に情熱を持ち、それをプレゼンテーションすることが得意だ。しかし、売れ続ける営業は、顧客の課題やニーズを深く理解し、それに基づいて提案する力を持っている。さらに、売れる営業は、売れた理由を具体的に理解できていないことが多いが、売れ続ける営業は、売れた理由を顧客のストーリーや会社の歴史、顧客の立場から見た脈絡を踏まえて理解しているため、次のニーズを予測しやすく、継続的に売上を上げることができる。

目の前の商品か、長期的な信頼か

売れる営業マンは、商品そのものに思い入れを持ち、プレゼンテーションができる力を持っているだろう。しかし、市場や業界が縮小している中で、売れ続けるためにはそれだけでは不十分である。売れ続ける営業マンは、顧客の課題や背景を理解し、長期的な視点で顧客との関係を築いていくことが求められる。

このようなマインドセットを持つことで、営業活動の質が向上し、顧客との信頼関係が強化される。そして、その結果として、顧客からいの一番に相談される相手となり、売上が安定して続いていくのだ。

とはいえ、このスピードが求められる時代において、目の前の結果と長期的な信頼を両立させるのは難しいと感じるかもしれない。しかし、この二つは相反するものではなく、両方を取り入れて進んでいくことは十分に可能である。

顧客との関係性を深めつつ、売上を持続的に向上させるためには、顧客のニーズを正確に把握し、それに基づいた提案を行うことが不可欠である。売れる営業マンから売れ続ける営業マンになるために、ぜひこの視点を取り入れてみてほしい。

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