助けを求める人はなぜ成功しやすいのか?
「助けを求める」ことが得意な人も苦手な人もいるだろう。今回は苦手な人にフォーカスを当てて話を進めていく。
というのも「助けを求める」目的が、得意な人と苦手な人とでは雲泥の差があるからだ。
助けられなくても自分でやれる自覚はあるか
得意な人の場合は「助けを求めること」で自分が守られると思っている。つまり、自らが人間関係を築く上で必要な事であり、幼い頃から今までやってきている、ということだ。
少々言葉を選ばずに言うと、甘えの要素が強い。例えば、別に自分でできることも助けを求める傾向がある。これはただの甘えであり、自己成長のチャンスを逃しているとも言える。
自分は強い・もっと出来るのに、過小評価しているとも言えるから、こういったタイプの方は、もっと自分に負荷をかけて、できる自分自身を自覚したほうが良いのだ。
こうした方は、助けを求めるにしても、求めないにしても目的を「自己責任の元行動する」という設定をかけることで成長が促される。
既に多くの人を助けている自覚はあるか
一方、苦手な人は、「助けを求めること」で自分が否定されると思っている。
自分の120%以上の力を発揮して、ようやく達成できるかどうか分からない仕事に対して、責任を負って、やりきろうとするタイプがこれだ。
周りからは「あの人はできるから大丈夫だよね」「あの人に任せておけば大丈夫」という評価を受けていて、むしろ助けを求められる方だろう。
そんな人は、ギリギリのところまで踏ん張って、結局体調を壊してしまう。でも休日に壊すので月曜日からは出社している。なんてこともある。
さらに言うならば、自分が周囲を助けている自覚がそんなにない。「これくらいやって当然。だって仕事はチームプレーだから」くらいに思っているが、多くの人は本当に助けられているのだ。
そんな人は、たまには助けを求めていい。もしかしたら「無能だ。成果の出せないやつだと思われるんじゃないか?」と、恐れがあるかもしれない。
だけれども、実は逆だったりする。「◯◯さんが言ってくれるんだから、よほど今仕事抱えているんですね」なんていう反応が来たら、本当にあなたが助けを求めていなかった証拠だ。
そうすることで、実は結果の質が上がっていく。関係性を変えることで、結果が変わるとは、上のような例を言う。
関係性が固定していると成果が淀む
人は「当然」を作りたがる。そしてそこから関係性を作ろうとする。主語が固定されていると、述語は固定されるのだ。
例えば、「私は上司だから部下の成長を見なければならない」という意味で「上司である私」が固定されていたら、「部下に相談する」という述語は出てこないだろう。
このような関係性に固定していると、助ける側・助けられる側に固定されて、互いの関係性が淀んでくる。すると、「上司なんだから手伝ってくれるのが当たり前だろう」と、部下の態度が悪くなったり、ずっと甘えてきたりする。
今までと真逆のことをする=可能性を広げる
従来のパターンとは逆のアプローチを取ることが、新たな可能性を広げる鍵となる。
例えば、普段は他者に助けを求めるのをためらっていた人が、自ら積極的に助けを求めるようにすることや、逆に常に自己責任を持って行動していた人が、あえて他者に助けを求める役割を引き受けるといった行動が考えられる。
このような逆の行動を取ることで、組織内の関係性の質が向上し、その結果として業績の向上に繋がる可能性がある。
ダニエル・キム氏のモデルでも示されているように、関係性の質が高まると結果の質も向上するとされている。このモデルに基づいた実践は、確かに一見するとリスクが高く、結果が伴わないように思われることもある。しかし、実際には新しい行動が新しい出会いや機会を生み出し、売上や成果が向上するケースも多々見られる。
例えば、新しい顧客層との出会いや、これまで考えもしなかった高単価の案件に取り組む機会が生まれるなど、可能性が広がっていくことで、ビジネスにおける新たな道が開けることもある(弊社も経験済みだ)
もちろん、こうした変化を取り入れるには根気と持続的な努力が必要であり、簡単に実現できるものではない。しかし、あえて今までとは逆の行動を試みることで、個人や組織全体が新しい成長の機会を掴むことができる。
このような手法を通じて、関係性の質を向上させ、組織全体の成果を高めるための具体的な方法を学びたい方は、専門的な支援を検討する価値があるだろう。関係性の質を変える取り組みは、長期的に見て大きな成果をもたらす可能性があり、ぜひ一度お話ができれば嬉しい。