ダニエル・キムモデルを使った目標管理とは

夫婦二組で創業した弊社は、仕事とプライベートが当たり前のように共存している。たとえ旦那がTOPセールスマンの如く稼いでいたとしても、子供の面倒を全く見ない、嫁や娘・息子に気の利いた土産を買ってこないならば、社内評価はだだ下がりなのだ。

そんな弊社が取り入れているモデルが、MIT教授、ダニエル・キム氏の組織の成功循環モデルである。

釈迦に説法であるが、組織が成功するエンジンを力強くしていくために、関係の質が高まることで、思考の質、行動の質、結果の質が高まっていくというモデルである。

この理論が提唱された研究は、リーマンショックの前後を比較し、生き残った企業とそうでない企業の違いを比較検討している。まさに今のコロナショックと同じような危機的な状況に強い組織とは何か?の教訓にふさわしいものではないだろうか。

なぜ結果・行動の質を優先してしまうのか

しかしこのモデルの難しいところは、具体的な数値や行動目標に落としにくい所だ。

行動の質・結果の質は「成約数÷アポイント数」などで測ることができる。だがこのモデルのコアは関係性の質からアプローチするということだ。

見やすい数字だけを追うと、結果の質にこだわった結果主義的な、既存の組織と何ら変わらない。

しかし、そもそも目には見えない「関係の質や思考の質の成長」をどう測れば良いのだろうか?

弊社はその点について、メンバー全員で共通認識を持ち、かつ関係の質・思考の質を可視化し行動目標計画を立てている。

なぜ共通認識や可視化が可能なのかと言えば、共通の指標があるからだ。

弊社は人間関係のインサイトサーベイという、関係の質を5段階で表すモデルを作った。関係の質というのは、記号でいう「+」「−」「>」「≦」といった記号のようなものだ。

例えば、「+」の関係の質を持っていたとする。

「2と2」という事実が現れたら2+2=4となる。逆に「−」の関係の質を持っていたら、2-2=0となる。同じ事実においても、関係の質が違うので、思考の質も変わるのだ。そして同様に行動の質が変わり、結果の質が変わる。

関係性というのは、それだけ結果に連動しているのだが、その関連性が見えないから、結果と行動での評価に頼らざるを得ないのだ。

結果の質から、関係性の質にアプローチできる報告とは

例えば、弊社はこのような報告を行う。

  • 本日チームビルディングの契約が取れました(結果の質)
  • ◯◯さんとの打ち合わせを毎月1回・8ヶ月間、重ねられたからです(行動の質)
  • 正直、協業できる道は難しいのではないかと思っていました(思考の質)
  • でも、この人とは同じビジョンを持っているし、何か一緒にしたい関係を深めたいと思っていたんです(関係の質)
  • 初めて◯◯さんと会った日、思い切って弊社のビジョンから伝えようと決断したのが実を結びました(認識の質)

関係の質を高める前に、自分自身をどう思うのか?という点に関してコンフォートゾーンから離れる決断が必要だ。この質を我々は認識の質と呼んでいる。

今回のケースでは「自分は結局ストレートに伝えたら理解されない」という自己のイメージを取っ払う決断をしたところから始まっているのだ。

週2回の報告時間(4人で2時間)を設けて、このような関連性を持たせて伝えるトレーニングをしている。すると、何の質から変化させるべきなのかの理解が進んでいく。

また、こんな報告もする。

  • 今日は嫁から「なんでカーテンフック壊してるの!?」と言われました(結果の質)
  • 娘がカーテンをソファーに引っ張っているのを見逃し、思いっきりソファーに座ったらカーテンに引っ張られたフックが3つ壊れました(行動の質)
  • 嫁が「娘に背中乗られた!助けてー」って言ったからおろしてあげようと思って行ったんですけどね(思考の質)
  • 久しぶりに怒られて、なんか残念な気分ですー。別に大したことないのに。(関係の質)
  • どうせうちの嫁は、俺の理解なんてしないんでしょ(認識の質)

私、西勝の残念な話であるが、これも関連性を振り返って話をしたり、嫁や周りから突っ込まれることで整理が進む。

このようにして、報告は、結果の質〜認識の質に戻すような報告を心がけていくと、自己納得感も、周囲の納得感も腹落ちしやすい。

通常ならば、結果・行動・思考の質程度で、報告は終わってしまうだろう。そこを更に深堀りするような問いをし、関係性の質・認識の質にアプローチできれば結果における原因が明確になるのだ。

関係の質を高め、思考〜結果の質に結びつく目標計画とは

報告は結果の質〜認識の質に戻すような報告をしていた。目標計画は真逆の流れでスタートする。つまり認識の質〜結果の質へ方向性を変えるのだ。

ここで大切なのは「認識の質」を今まで→今からに進む目標立てをすることだ。

  • 「自分は理解されない」という思い込みを外す(認識の質)
  • 躊躇せずに、協力関係を築くために踏み込む(関係の質)
  • 理解される・されないは置いておく(思考の質)
  • 弊社のサービスを端から端までくまなく説明する(行動の質)
  • 新しい案件を3件取ってくる(結果の質)

認識の質が変わると、全てが変わることがお分かりだろうか?このように目標設定をすることによって、認識の質〜結果の質が一本につながった形で行うことができるのだ。

何もわからず、がむしゃらに取ってくる新規案件1件と、このモデルを咀嚼し、自己成長をしながら取ってくる新規案件1件では、文字通り結果の質が違う。

こうしたモデルと実践を通して、弊社では法人営業1年目にして、大手との引き合いを5社頂くことができた。

このように、組織が成功するエンジンを力強くしていくためのモデルであるが、実際に活用してみて感じるのは、エンジンが強くなればなるほど、結果の質の向上が大きく伸びている。

ダニエル・キムモデルを使った目標管理について、より詳しい話を聞きたい方は、ぜひ問い合わせいただきたい。